自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、岸田文雄首相(党総裁)が自らも含めた党による処分を検討している。
東京地検特捜部の捜査が直撃した派(清和政策研究会)に〝厳罰〟を求める声があがるなか、岸田派(宏池会)もパーティー収入の不記載(裏金化)で会計責任者の有罪が確定している。党内外で責任を問う声が強まっているのだ。
「党紀委員会に上申する前に、執行部で(処分を)議論するのが前例になっている」
森山裕総務会長は20日、岸田首相や二階派(志帥会)を率いた二階俊博元幹事長への処分について語った。
具体的内容は「議論しないと分からない」と述べるにとどめた。
一連の問題では派幹部ら多数に裏金疑惑が浮上し、逮捕者まで出た。
二階派でも元会計責任者が立件、二階氏の秘書が有罪判決を受けた。
党は計80人ほどを一斉処分することを検討中だが、党処分で最も重い「除名」と、それに次ぐ「離党勧告」は見送る方針だ。
「派は閣僚や党幹部などの要職から事実上の更迭で一掃された。すでに一定の〝制裁〟を受けたとの党内の声がある」(ベテラン議員)ためだ。
そのうえで、派閥幹部には「選挙での非公認」や「党員資格停止」とする案、
それ以外の中堅や若手で裏金の額が低かったケースでは、より軽い「戒告」などにとどめる案が浮上しているという。
〝致命傷〟にはならない処分で幕引きを図っているようにみえるが、中堅議員は「岸田首相は『関係議員の厳正な処分』を明言したことで、自らの首を絞める結果になった」と語る。
どういうことなのか。
まず、岸田首相が領袖(りょうしゅう)を務めていた岸田派で会計責任者が裏金問題で立件され、政治資金規正法違反罪で有罪が確定している。さらに、岸田首相自身が「年7回パーティー開催」問題で激しい追及を受け、「首相の責任論が日ごとに高まっている」(前出の中堅)のだ。
自民党内では、「岸田首相は処分をチラつかせて支配力を強め、党内政局の主導権を握ろうとしている」(ベテラン議員)との反発や、「場当たり的対応で丸投げの連続。加えて、自分自身に甘い」(中堅議員)との批判が噴出している。
岸田首相も、お咎めなしではいられない状況といえそうだ。
引用元: ・【岸田首相】裏金事件で自身の処罰検討
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